スポーツターフのはなし⑬ ~役割分担~
前回は肥料の成分についていくらかおはなししました。窒素(N)リン酸(P)カリ(K)の成分以外にもスポーツターフに必要な成分はいっぱいあるのですが、最も重要な成分にフォーカスしておはなししたいと思います。
窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)はスポーツターフの育成において最も重要な必須の三要素です。では各要素でどの様に、どの部分でスポーツターフの生育に係わっているのでしょうか。タイトルにもありますが、各要素がそれぞれ大切な役割を持っています。まずは窒素、窒素はターフの生育に三要素の中でも、最も大きな役割を果たします。窒素が不足するとターフの再生能力が低下し、サッカーのゲームで損傷を受けたターフの回復が遅れ、ターフ自体のクオリティや美観に大きく影響します。しかし、逆に施用量が多すぎると、生育は良くなりますがターフの葉が軟弱になり、スポーツターフとしての踏圧や擦り切れに対する抵抗力の弱いターフとなってしまいます。
次にリン酸、リン酸は主に根の発育に係わる成分です。根の伸長を促進します。ターフの育成初期に重要な成分です。リン酸は土壌中の移動(降雨や潅水による流出など)が少なく、施用する場合には比較的少ない量で十分と言われていますが、施用するタイミングを計る必要があります。根がターフの成育に必要な養分を取り込むわけですから、重要な成分です。最後にカリ、カリはターフの植物体内での調節機能を行う成分です。細胞膜を強化してストレスや病害抵抗性、耐寒抵抗性を高めます。僕たちは「保健」要素と呼んでいます。スポーツターフではプレイすることでターフの擦り切れが激しくなります。ターフのコンディションを向上、維持させるために重要な成分です。
以上がスポーツターフに特に必要な肥料の三つの成分の役割です。いくらかイメージがわいてきたでしょうか。いままでおはなしした三つの要素以外にも重要でスポーツターフの生育に必要なものはあるのですが、又の機会におはなししたいと思います。
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